「青春スキップ」
子供ってどうしていつもスキップしているんだろう――と、うっかり主語が大きくなってしまった。娘の話だ。彼女はぼくの前を歩くときいつもスキップししている。ポニーテールを左右に揺らしながら飛び跳ねるように歩いていく。
2 年生に進級して小学校が俄然楽しくなったらしい。 「学校の電子ピアノでブリンバンバンボンを弾いたよ」 「てけてけって知ってる? すっごい怖いんだよ」 「夜の学校は家より妖怪に遭うリスクが高いんだよ」 なんて具合に毎日のようにクラスメートたちと共有した新しい情報を仕入れて帰って来る。夕食のときも朝食のときもずっと学校であったエピソードを切れ間無く話続けてくれる。内容はよくわからないことも多いけれど友達に囲まれて賑やかにやっているんだなという様子だけははっきり伝わってくる。 スキップで飛び跳ねていく娘の後ろ姿を見て、彼女にとっては今が人生最初の青春なのかもしれないと感じた。人生の春。生きていることが楽しくて仕方ない。この瞬間が永遠に続けばいいなと感じている。過去でも未来でもなく、今だけを見ている。彼女は今そんな季節を生きているのなのかもしれないと。 ...